星のカービィ 夢の泉の物語™

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ものがたり

「アレッ? きょうはゆめを見なかったなぁ……?」
地球から遠く離れた小さな星の小さな国、あきれかえるほど平和なプププランドでのお話です。

 おひるごはんのあとのおひるねから目覚めたカービィでしたが、ちょっと気分がよくありません。いつもなら楽しいゆめを見てしあわせな気持ちになれるのに、きょうはゆめを見ることができなかったのです。
 カービィもプププランドのひとびとも、みんな食いしん坊。そして誰もがおひるねが大好きで、ゆめを見ることを楽しみにしていました。おひるねから目覚めたあと、ひとびとはお互いに見たゆめのことを語り合い、そしてそのゆめがかなうようにと励まし合うのです。

 プププランドの果てには「ゆめのいずみ」という、宝石のように輝く「ゆめ」が湧き出るところがあります。それはプププランドの全ての生き物のゆめの集まりであり、希望のみなもとでもあるのです。ゆめのいずみに湧いたゆめは水のように流れ落ち、輝きながらプププランドをつつみます。そして眠りについた生き物たちに、楽しいゆめとやすらぎをあたえます。

 いずみの不思議な力は、この国に伝わる秘宝のひとつ「スターロッド」によって生み出されていました。ロッドの先にあるキラキラ輝く星は、遠い昔にプププランドに流れ落ちた星くずのかけらだと言われています。いずみの中央にそなえられたスターロッドは、平和なプププランドの象徴でもあるのです。けれども…。

ゆめのないおひるねは次の日も、また次の日も、そのまた次の日も続きました。ゆめを見ていないのはカービィだけではなく、全てのプププランドの生き物もいっしょでした。ゆめを見ることのできなくなったひとびとは、みんな元気がありません。プププランドから楽しそうな笑い声が聞かれなくなってしまいました。

「これはきっと、ゆめのいずみに何か起こったにちがいない。」
原因をつきとめるために、カービィは勇敢にもひとりでいずみへと向かいました。するとそこではなんと、あの「デデデ大王」が水浴びをしているではありませんか! 以前、プププランドの食べ物をどろぼうした、あの大王です。そしていつもそこにあるはずのスターロッドは消えてしまっていたのでした。

「またおまえのしわざか、デデデ大王!」
「ぼうず、何を言ってるんだい。ワシはみんなのためにと思ってだな……。」
「うるさい!スターロッドをどこへやった!!」
「あぁ、あれなら7本に分けて、子分たちにあずけておいたゾ。」

 いったい、デデデ大王は何を考えているのでしょうか。とにかくカービィは、みんなの楽しいおひるねタイムをとりもどすため、スターロッドをあつめ、ゆめのいずみの輝きをとりもどす旅に出かけるのでした。

(説明書より)


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